ある冬の日

私が小学5年生か、6年生の時

母親が、心臓病の手術をしました。

母親は、生まれた時から心臓が弱く

小学生の頃、走ることも止められていました。

母はよく「小学生の頃、みんなと走りたかった…」と、言っていました。 

でも、その母は、私たち、女4人男1人の

子供を産みました。

病院の先生も驚いていたと…

でも、もしかしたら、

まだ、いたかも、とも聞きました…

 

その母が心臓の手術をします。

大きな病院で・・・

 

母の病室は3階から上の階にあり、

ベッドは窓際にありました。

 

私たちが子供の頃は、今よりも冬は、

雪が降っていたと、思います。

 

そして、  

 

その日も、雪でした。

雪が降っていました。 

そして、

その病室の窓から下を見下ろすと、

病院の敷地内にある、テニスコート

ベンチや、樹や、道は、雪で真っ白でした。

足跡もなく、真っ白でした。

 

 

母の横にあるテレビでは、

アニメ『アンデルセン物語』の最終回

「マッチ売りの少女」をやっていました。

 

 

もう、40年以上前のこと

 

冬になるとたまに、思い出す。

 

 

『雪の日』

 

 

母が心臓病の手術をした日。