父の涙…精一杯の笑顔

 

いつだったか

小学生の高学年か中学生の時

父と一緒に日光かな?

父の知り合いの家に行くために

観光バスに乗りました。

バスガイドさんが、色んな話をしたりして

乗客にも話を聞いていました。

父のところへきた時に

何故そうなったかは覚えていませんが

父が「歌います。」と言って

歌を唄い始めました。

音楽はありません。今で言う「アカペラ」

歌の題名も、わかりません。

テレビかラジオで聴いたことはありました。

父は元気よく唄います。

 

「♫箱根の山は 天下の嶮(けん)♫」

 

 

もちろん歌は続きますが

 

私はそこしか、覚えていません。

 

 

 

唄いながら

父の目から一筋の涙が流れました

 

声はかすれることも、震えることもなく

父は元気に唄っています。

 

それを隣にいた私は

満面の笑みで見ていました。

 

 

 

あれから何十年経ったのか

 

ほんの数年前、本当に数年前に

「あの歌の題名はなんて言うんだろう…」と

初めて調べました。

検索🔍くん。登場。

 

題名は『箱根八里』(はこねはちり)

作詞:鳥居忱(まこと)

作曲:瀧(滝)廉太郎

日本の唱歌・歌曲。

1901年(明治34年)発行の「中学唱歌」に

掲載された。とありました。

全曲聴きました。歌詞の解説もあります。

 

歌詞、難しいです(^^;

 

 

「♫箱根の山は   ♫天下の嶮(けん)」

 

 

唄っている父

涙が一筋流れても

それをぬぐおうともせず

元気に元気な声で唄っている父

それを精一杯の笑顔で見ている

自分(私)

 

どんな時に思い出すのかわかりません

ただ、ふと思い出す時があります。

 

 

父の涙を見たのは今思い出す中では

その時だけかもしれません。

 

 

 

 

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